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2-2. なぜ「見極めよう」とする面接官ほど選ばれなくなるのか

前回、質問リストを丁寧に用意しても、それが「尋問」のようになってしまえば、優秀な人材ほど遠ざかってしまうことをお伝えしました。
今回は、その根本にある面接官の意識、「見極めよう」という姿勢そのものが強すぎることの弊害を掘り下げます。

目次

「見極めよう」という意識は、必ず相手に伝わる

面接官が「この応募者は本当に自社に合うのか」「能力は本物なのか」と、評価する意識を強く持って面接に臨むと、その意識は、言葉にしなくても表情や態度、質問の投げかけ方を通じて、応募者にじわじわと伝わっていきます。

人は、自分が「試されている」「値踏みされている」と感じると、本能的に警戒心を強めます。警戒した状態では、本音や自然な受け答えが出てきにくくなり、当たり障りのない、いわば「模範解答」のような回答に終始しがちです。

皮肉なことに、見極めようとすればするほど、見極めるための材料である「本音」が、応募者から出てこなくなってしまうのです。これは面接に限った話ではなく、上司と部下の面談や、営業の商談の場でも同じ構造が見られます。相手を評価しようとする姿勢が強いほど、相手は身構え、本心を見せなくなるものです。

「粗探し」のまなざしが、面接全体を支配する

「見極めよう」という意識が強い面接官は、無意識のうちに、応募者の回答の中から「気になる点」「引っかかる点」を探すまなざしになりがちです。転職回数、ブランク期間、志望動機のわずかな矛盾 -こうした点に神経を集中させ、粗探しをするような雰囲気になってしまいます。

この「粗探しのまなざし」は、応募者にもはっきりと伝わります。面接官がメモを取りながら眉をひそめる、相槌が減る、質問が詰問調になる -こうした細かな変化を、応募者は敏感に察知します。

結果として、面接という場全体の空気が重くなり、応募者は「この会社との面接は、居心地が悪かった」という記憶だけを持ち帰ることになります。
一度そうした印象を持たれてしまうと、その後どれだけ丁寧なフォローメールを送っても、挽回することは簡単ではありません。

「見極め」は、実は「安心」の上に成り立つ

ここで一つ、重要な逆説があります。
それは、応募者の本当の姿を正確に見極めたいのであれば、まず応募者に安心してもらう必要がある、ということです。緊張し、警戒したままの応募者からは、取り繕われた情報しか得られません。逆に、リラックスし、素の状態に近づいた応募者からは、経歴書だけでは分からない、価値観や人柄がにじみ出てきます。

つまり、「見極め」の精度を上げたいのであれば、遠回りに見えても、まず面接官自身が緊張をほぐし、安心できる空気を作ることが近道になります。「見極めよう」と力めば力むほど、皮肉にも見極めの精度は下がっていく、という構造がここにあります。

刑事ドラマの取り調べのような緊張感の中では、人は本当のことを話しにくくなる -それと同じことが、面接という場でも起きているのです。

面接官の意識を、少しだけ切り替える

このように、「見極めよう」という意識を完全になくす必要はありません。しかし、その意識だけに偏ってしまうと、応募者は心を閉ざし、選ばれる機会そのものを失ってしまいます。

「評価する立場」と「安心してもらう立場」、この両方を面接官が意識的に行き来できるかどうかが、辞退を防ぐ上での分かれ目になります。片方だけに寄った面接官は、どれだけ経験を積んでも、辞退の連鎖から抜け出せません。

次に確認すべきこと

次回は、面接官がマニュアル通りに面接を進めれば進めるほど、なぜかえって応募者の心が離れていってしまうのか、その理由を掘り下げていきます。

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