ここまでの章で、応募が集まる求人票には何が書かれているのかを、経営者の想い、現場のリアルな魅力、お断り宣言、未経験者への配慮という4つの切り口から見てきました。
ここからは、いよいよ実践編です。これらの中身を、実際にどうやって引き出し、言葉にしていくのか、具体的な手順をお伝えしていきます。
「わかっている」ことと「できる」ことの間にある壁
言語化が大切だと理解しても、実際に手を動かそうとすると、多くの人がここで立ち止まります。
- 「経営者の想いを引き出す」と言われても、何をどう聞けばいいのかわからない。
- 「現場のリアルな魅力」と言われても、スタッフに何を尋ねればいいのかわからない。
- 頭ではわかっていても、実際の手順が見えないために、結局は元通りの当たり障りのない求人票に戻ってしまう。
というケースは少なくありません。
実際、「大事なのはわかった。でも、いざ自分で書こうとすると、結局『アットホームな職場です』のような一文しか出てこない」という声を、これまで何度も耳にしてきました。これは決して能力の問題ではなく、頭の中にある想いを、外に取り出すための”問いかけ”が不足しているだけなのです。
言語化は、才能ではなく手順の問題
ここで誤解しないでいただきたいのは、言語化は特別な文才やセンスを必要とする作業ではないということです。必要なのは、正しい問いを、正しい順番で投げかけていく手順です。手順さえ押さえれば、文章を書くことが得意でない経営者でも、十分に自社の魅力を言語化することができます。
例えるなら、料理のレシピに近いものです。センスのある料理人が思いつきで作る一皿と違い、レシピ通りに手順を踏めば、経験の浅い人でもある程度の完成度に到達できます。
言語化も同じで、「何を、誰に、どんな順番で聞くか」という手順さえ踏めば、経営者自身の中に眠っている魅力を、着実に引き出すことができるのです。
この章で扱う5つのステップ
この章では、言語化を実践するための手順を、次の5つのステップに分けて具体的に見ていきます。
- 経営者の想いを引き出す「セルフインタビュー」のやり方
- 現場スタッフから本音を引き出すヒアリングの進め方
- 引き出した想いを求人票の文章にどう「翻訳」するか
- 限られた文字数の中に、どう言語化を収めるか
- 完成した求人票を、独りよがりにならず客観的にチェックする方法
どのステップも、特別な準備は必要ありません。今日からでも、1つずつ試していただける内容です。次の記事から、順番に見ていきましょう。
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