ここまで、面接官の自己紹介、会社説明・募集背景、応募者のビジョンを引き出す質問、クロージングトークという4つのパーツを見てきました。
今回は第4章の最後として、完成した面接シナリオを、独りよがりにせず客観的にチェックする方法を掘り下げます。
一人で作ったシナリオには、必ず盲点がある
ここまでのパーツを一つずつ準備し、面接シナリオとして組み立てたとしても、それが自分一人の視点だけで作られたものである限り、必ず盲点が生まれます。
自分では「分かりやすい」と思っている会社説明が、実は業界用語だらけだったり、「熱意が伝わる」と思っている自己紹介が、聞く人によっては違和感のある言い回しだったりすることは、珍しくありません。日頃から社内で当たり前に使っている言葉ほど、自分では気づきにくいものです。
身近な人に、応募者役をやってもらう
もっとも手軽で効果的なのは、社内の別の社員や、家族・知人に応募者役をお願いし、実際にシナリオ通りに話してみることです。話している本人には気づけない、間の取り方や、言葉の伝わりにくさを、聞き手の反応から確認できます。
このとき、応募者役の相手には、遠慮せず率直な感想を伝えてもらうようお願いしておくことが大切です。「分かりやすかった」という感想だけでなく、「ここが少し引っかかった」「ここはもう少し具体的に聞きたかった」という、改善点にもつながる声をもらえるように、あらかじめ伝えておきましょう。
褒めるだけの感想では、シナリオの質は磨かれていきません。
チェックの視点を、事前にリスト化しておく
漠然と「感想を聞かせてください」とお願いするより、あらかじめチェックすべき視点をリストにしておく方が、有益なフィードバックを得やすくなります。
たとえば、
- 専門用語や社内用語が多すぎないか。
- 自慢話や売り込みばかりになっていないか。
- 理念や社長の考え方が、具体的な言葉で語られているか。
- 募集背景が率直に開示されているか。
- 応募者が自分の配属後の姿をイメージできるレベルまで、具体的に描かれているか。
こうした視点をあらかじめ共有しておくことで、応募者役の相手も、何を意識して聞けばいいのかが分かりやすくなります。5つ前後の項目にまとめておくと、確認する側も答えやすくなります。
録音・録画も、有効な確認手段
身近な人に協力を頼みにくい場合は、実際に自分でシナリオを声に出し、それをスマートフォンなどで録音・録画してみるのも一つの方法です。
後で自分自身で聞き直してみると、話している最中には気づかなかった、間延びした箇所や、逆に急ぎすぎている箇所に気づくことができます。文字で読んで自然に思えた文章でも、声に出してみると意外と読みにくい、ということもよくあります。
チェックは、一度で終わらせない
面接シナリオのチェックは、一度きりで完了とせず、実際に面接で使ってみた後にも、改めて振り返ることが大切です。想定していなかった応募者の反応や、うまく言葉が出てこなかった箇所があれば、その都度シナリオに反映し、少しずつ磨き上げていく。この積み重ねが、面接官としての実力そのものを底上げしていきます。
第4章のまとめと、次章の予告
第4章では、「選ばれる面接」を実際にどう設計すればいいのか、4つのパーツと、その客観チェックの方法まで見てきました。次の第5章では、このまま一般的な面接のやり方を続けた場合、あるいは「選ばれる面接」に切り替えた場合、それぞれどうなっていくのかを掘り下げていきます。
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