前回、応募者のビジョン・目標をどう引き出せばいいのかを見てきました。
今回は、4つ目のパーツである、内定へつなげるクロージングトークをどう組み立てるのかを掘り下げます。
クロージングは、面接の「最後の印象」を決める場面
以前お伝えした通り、人の記憶には「最後の場面」が強く刻まれます。クロージングトークは、まさにこの「最後」を担う、非常に重要な場面です。ここでどんな言葉を伝えるかによって、応募者が面接全体をどう記憶するかが大きく変わります。
それまでの60分がどれだけ良い流れであっても、最後の数十秒が疎かであれば、その印象は簡単に薄まってしまいます。
クロージングは、「事実」と「感情」の2つで組み立てる
効果的なクロージングトークは、大きく2つの要素で構成します。
- 一つ目は、面接を通じて感じた期待を、具体的な言葉で伝える「感情」の部分です。
- 二つ目は、今後の選考プロセスについて、誠実に伝える「事実」の部分です。
まず感情の部分では、「今日お話を伺って、◯◯さんのビジョンが印象的でした。うちの会社であれば、そのビジョンに近づける環境があると思います」というように、面接の中で実際に語られた内容を引用しながら、具体的に伝えます。抽象的な褒め言葉より、面接中の具体的な発言を引用する方が、応募者には「きちんと聞いてもらえた」という実感が残ります。
「合格」とは言い切らず、期待は率直に伝える
一方、事実の部分では、慎重な言葉選びが必要です。まだ選考の途中である以上、「合格です」と受け取られかねない断定的な表現は避けなければなりません。
「最終的な判断は他の応募者との比較もあるので、今の時点で合否をお伝えすることはできませんが、しっかり高い評価として受け止めさせていただきます」というように、誠実にリスクヘッジをしながら伝えます。
熱意を伝えることと、事実を正確に伝えることは、両立できます。むしろ、期待と事実の両方を丁寧に伝えられる面接官の方が、応募者からの信頼は厚くなります。
口説きの言葉は、バリエーションを持っておく
感情を伝える言葉は、毎回同じ表現を使い回すと、どうしても形式的な印象になってしまいます。
- 「うちなら◯◯さんのビジョンを応援できます」
- 「一緒にその目標に向かって頑張りたいです」
- 「◯◯さんのような方を、ずっと探していました」など、
いくつかのバリエーションを事前に用意しておき、応募者の話した内容に合わせて選べるようにしておくと、より自然な言葉として伝わります。
他社を受けていることへの言及も、忘れずに
応募者が他社の選考も並行して受けていることを前提に、「他社も受けていらっしゃると思いますが、当社への気持ちが少しでも上がっていたら嬉しいです」といった一言を添えることも効果的です。
この一言があることで、応募者は「この会社は、私が他にも選択肢を持っていることを理解した上で、それでも選んでほしいと思ってくれている」と感じ、誠実さを受け取ります。他社の存在を隠さず認める姿勢そのものが、応募者にとっての安心材料になります。
最後まで、感謝の言葉を忘れない
どれだけ丁寧なクロージングトークを準備していても、最後に「本日はお時間をいただき、ありがとうございました」という感謝の一言を欠かさないことも大切です。基本的なことですが、緊張感のある面接の終盤ほど、こうした基本の一言が抜け落ちやすいものです。
次に確認すべきこと
次回は、完成した面接シナリオを、独りよがりにせず客観的にチェックする方法を掘り下げていきます。
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