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3-0. 辞退されない面接には何が起きているのか

ここからは第3章に入ります。

第1章では「選ばれる面接」の全体像を、第2章では辞退が減らない原因を見てきました。第3章では視点をさらに具体化し、実際に辞退されにくい面接の場では、何が起きているのかを整理していきます。

目次

「何をやめるか」から「何をやるか」へ

第2章で見てきた原因は、いわば「やってはいけないこと」のリストでした。

  • 尋問のような質問攻めをしない
  • 見極めだけに偏らない
  • マニュアルを台本のように読まない
  • 条件の説明だけで終わらせない

これらを避けることは、確かに重要です。

しかし、「やってはいけないこと」を避けるだけでは、面接は「無難」にはなっても、「選ばれる」面接にはなりません。

減点を防いだだけの面接と、応募者の心を動かす面接の間には、まだ大きな距離があります。辞退されない面接には、避けるべきことを避けた上で、さらに積極的に「やっていること」があります。

この章では、その「やっていること」の中身を、具体的に見ていきます。

辞退されない面接に、共通して起きていること

これまでの取材や事例を整理すると、辞退されにくい面接には、次のような場面が共通して見られます。

  • 面接の冒頭で、応募者の緊張がきちんとほぐれている場面。世間話や気遣いの一言から始まり、応募者の表情が徐々に和らいでいく様子が見て取れます。
  • 面接官自身が、自分の経歴や、この会社で働く理由を、感情を込めて語っている場面。単なる自己紹介ではなく、応募者に「この人と働きたい」と思わせるような語りになっています。
  • 応募者の経歴だけでなく、この先どうなっていきたいかという将来のビジョンにまで、面接官が関心を向けている場面。ここでの会話は、質疑応答というより、対話に近い雰囲気になります。
  • 面接の終盤で、面接官から応募者への期待の言葉が、はっきりと伝えられている場面。事務的な連絡事項だけで終わらず、「一緒に働きたい」という気持ちが言葉になっています。

これらの場面は、偶然ではなく設計されている

重要なのは、これらの場面が偶然生まれているのではなく、多くの場合、面接官が「意図的に作り出している」ということです。

  • 緊張をほぐす時間をあらかじめ確保する
  • 自己紹介の内容を事前に整理しておく
  • 応募者のビジョンを聞く質問を、意識的に用意しておく
  • 締めくくりの言葉を、その場の思いつきに任せず、心構えとして持っておく。

こうした準備があるかないかで、面接全体の印象は大きく変わってきます。逆に言えば、才能や話術に頼らなくても、事前の準備さえ整えれば、誰でも一定の水準で再現できる、ということでもあります。

特別な話し上手である必要はなく、「何を、いつ、どう伝えるか」を面接前に整理しておくだけで、多くの会社は今より確実に良くなります。

4つの場面は、それぞれが独立した技術ではない

ここで一つ、誤解しやすい点を補足しておきます。

これから紹介する4つの場面は、それぞれ別々の小手先のテクニックとして捉えるべきものではありません。緊張がほぐれているからこそ、面接官の自己開示が素直に届き、自己開示があるからこそ、応募者もビジョンを語りやすくなり、そのやり取りの延長線上に、自然な締めくくりの言葉が生まれます。

つまり、4つの場面は一連の流れとしてつながっており、途中の一つが欠けると、他の場面の効果も弱まってしまいます。ドミノのように、最初の一枚(緊張のほぐれ)が倒れなければ、後に続く場面もうまく連動しないのです。

次に確認すべきこと

次回以降、この第3章では、これらの場面がなぜ効果を持つのか、その理由を一つずつ掘り下げていきます。まずは、応募者の緊張がほぐれる面接で、実際に何が起きているのかを見ていきます。

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