同じ地域、同じ職種、同じ給与水準で求人を出しているにもかかわらず、片方の会社には応募が数名しか来ず、もう片方の会社には数十名の応募が来る・・・。こうした差は、実際に珍しいことではありません。
条件がほぼ同じであるにもかかわらず、これだけの差が生まれる理由を、ここまでの内容を踏まえて整理します。
差を生んでいるのは、条件ではなく「情報の解像度」
ここまでの記事でお伝えしてきた通り、文字数を埋めても、写真を載せても、それだけでは応募には結びつきません。求人媒体の営業担当者も、採用代行業者も、経営者自身も、それぞれの事情から、求人票の中身を深く言語化するところまで手が届いていないケースが大半です。
この結果、世の中の求人票の多くは、条件面での差はわずかであっても、書かれている情報の解像度において、大きな差が生まれています。片方は「一般事務全般をお願いします」という輪郭のぼやけた説明、もう片方は「電話対応は1日平均◯件、来客対応では〇〇のようなお客様と接します」という、働く姿がありありと浮かぶ説明。この差が、そのまま応募数の差として表れます。
差は掛け算で積み重なる
条件面での差がわずかでも、情報の解像度の差は一箇所にとどまりません。職種欄、仕事内容欄、特記事項欄、写真、それぞれの項目で解像度の差が積み重なっていくと、求人票全体としての印象の差は、単純な足し算ではなく掛け算のように広がっていきます。数倍、時には8倍前後にまで応募数の差が開くのは、この積み重ねが理由です。
イメージとしては、職種欄の見せ方で2倍、仕事内容欄の具体性で2倍、特記事項欄の言語化で2倍・・・。それぞれの項目でこの程度の差が生まれるだけで、2×2×2で8倍という開きになります。写真の質がさらに加われば、この差はもっと広がることもあります。
1つひとつの差は決して大きくなくても、求人票全体を通して掛け合わさると、求職者が受け取る印象は大きく変わってしまうのです。逆に言えば、どこか1箇所を劇的に変える必要はなく、各項目を少しずつ丁寧に言語化していくことで、応募数は着実に変わっていきます。
この章のまとめ
ここまで、なぜ「一般的な書き方のコツ」を守っても応募が来ないのかを、複数の角度から見てきました。原因は、経営者の努力不足ではなく、求人票に関わる人たちそれぞれの構造的な事情と、経営者自身の認知の癖にありました。
これらを理解した上で、次の章からは、応募が集まる求人票には具体的に何が書かれているのか、その中身に踏み込んでいきます。
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