求人広告に課金しても応募が来ないとき、多くの経営者がまず頼るのが、契約している求人媒体の営業担当者です。
しかし、相談してみても返ってくる答えは決まって「もう少し上位のプランに変更してみましょう」「掲載期間を延長しましょう」。中身の改善提案が出てくることは、ほとんどありません。これは営業担当者の能力の問題ではなく、構造上そうならざるを得ない事情があります。
営業担当者の評価は「課金額」で決まる
求人媒体の営業担当者の多くは、契約金額や更新率をもとに評価されています。つまり、彼らにとっての成功とは、あなたの会社に採用が決まることではなく、あなたの会社が上位プランに課金し続けてくれることです。もちろん、担当者個人としては本気で採用の成功を願っているケースも多いはずです。
しかし、会社として求められる成果指標が「課金額」である以上、提案の中心がそちらに寄っていくのは自然な流れです。
例えば、応募が来ないという相談を受けたとき、営業担当者が「求人票の中身を一緒に見直しましょう」と数時間かけて向き合うのと、「上位プランをご案内しましょう」と伝えるのとでは、後者のほうが会社としての売上に直結し、かつ短時間で完結します。
悪意があるわけではなく、双方にとって”やりやすい”選択肢が、たまたま本質的な解決から遠いところにある、ということです。
「担当者を変えても同じ」ということが起きる理由
「担当者が合わなかったのかもしれない」と考えて、別の担当者に代えてみても、結果が変わらないというケースをよく耳にします。これは個人の資質の問題ではなく、会社としての評価制度そのものが、中身の改善提案をしにくい仕組みになっているからです。誰が担当になっても、根本にある構造は変わりません。
こうした会社でよくあるパターンとして、最初は月3万円ほどだった掲載プランが、応募が来ないたびに担当者から上位プランを勧められ、半年かけて月8万円まで膨らんでいた、というケースが少なくありません。金額は倍以上に増えているのに、求人票そのものに書かれている文章は、最初の一文字も変わっていない。あとから振り返って初めて、そのことに気づく経営者は多いものです。
この構造を知っておくことの意味
だからといって、求人媒体そのものや営業担当者を責める必要はありません。
大切なのは、「プランを変える」という提案の先に、本当に必要な「中身を変える」という選択肢が別に存在することを、経営者自身が知っておくことです。営業担当者から中身の提案が出てこないのは、彼らが手を抜いているからではなく、そもそも守備範囲の外にある、と理解しておくだけで、次に取るべき行動が見えてきます。
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