前回、応募が来る求人票には「経営者の想い」「現場のリアルな魅力」「正直な情報」という3つの要素が必要だとお伝えしました。この3つを求人票に落とし込む作業のことを、私は「言語化」と呼んでいます。
この記事では、この「言語化」という言葉が具体的に何を指しているのかを定義しておきます。
言語化とは、「当たり前」を「言葉」に変える作業のこと
言語化と聞くと、単に「文章を書くこと」だと思われがちです。しかし、実際に指しているのはもう少し手前の作業です。それは、経営者や現場のスタッフの頭の中に当たり前のようにあるのに、誰も口に出したことがない情報を、外に取り出して言葉にすることです。
例えば、「うちの会社は人間関係がいい」という一言があったとします。これだけでは、求職者には何も伝わりません。しかし、「なぜ人間関係がいいと感じるのか」「具体的にどんな場面でそう感じるのか」を掘り下げていくと、「毎朝、社長が全員に声をかけて回る」「わからないことがあれば、誰に聞いても嫌な顔をされない」といった、具体的な情景が出てきます。
この、抽象的な一言を、具体的な情景に変換していく作業こそが言語化です。
なぜ経営者自身では言語化が難しいのか
多くの経営者は、この作業を自分ひとりでやろうとして行き詰まります。理由は単純で、自社にとって「当たり前」のことは、当事者である経営者自身にとっては特筆すべき魅力に見えないからです。長年その環境の中にいると、良さも大変さも、感覚が麻痺してしまいます。
だからこそ、言語化には第三者の視点が必要になります。外部の人間が「それって普通の会社では珍しいことですよ」と指摘して初めて、経営者は自社の魅力に気づくことができるのです。
言語化の最終ゴールは「翻訳」すること
言語化という作業には、実はもう1段階あります。それは、引き出した生の言葉を、求職者に伝わる文章として整える「翻訳」の工程です。
現場の言葉をそのまま書き写すだけでは、意味が伝わりにくかったりします。伝わらなかったら、せっかくの会社の素晴らしさがないものと同じになってしまい、あまりにも勿体ないです。なので、掘り起こした情報を、求職者が読んで理解できる文章に組み替える。ここまでを含めて、初めて「言語化」が完成します。
この後の記事では、この言語化を実際にどう進めていくのか、具体的な手順をお伝えしていきます。
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