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3-1. 応募者の緊張がほぐれる面接で必ず起きていることとは

前回、辞退されない面接に共通する4つの場面を概観しました。

今回は、その最初の要素である「応募者の緊張がほぐれる」という現象について、面接の中で実際に何が起きているのかを掘り下げます。

目次

面接は、応募者にとって「異常な空間」である

まず前提として押さえておきたいのは、面接という場が、応募者にとってどれほど特殊な状況かということです。まったく面識のない相手のもとへ足を運び、初対面の人間に自分の経歴や人柄をさらけ出し、自分自身を売り込む。日常生活の中では、まず経験しない状況です。

こうした緊張状態のまま面接が進むと、応募者は本来の自分を出せないまま、終始「取り繕った受け答え」に終始してしまいます。これは、面接官が正しく応募者を見極める上でも、応募者が自然体で会社の魅力を感じ取る上でも、望ましくない状態です。

特に転職活動が久しぶりの応募者や、面接そのものに慣れていない若手・未経験者の場合、この緊張はより強く出る傾向があります。

緊張したままの面接で、何が失われるか

緊張が解けないまま進行する面接では、二重の意味で損失が生まれます。

一つは、「面接官の側から見た損失」です。応募者が本音を語れないため、経歴書だけでは分からない人柄や価値観が見えないまま、面接が終わってしまいます。

もう一つは、「応募者の側から見た損失」です。緊張したままの状態では、会社の説明も面接官の人柄も、十分に受け取る余裕がありません。せっかく良い説明をしても、応募者の記憶にきちんと残らないのです。

人は、リラックスした状態でなければ、目の前の情報を十分に処理できません。緊張は、応募者の「受信感度」そのものを下げてしまうのです。せっかく時間をかけて用意した会社説明や募集背景の話も、応募者の頭に入らないまま面接が終わってしまっては、意味がありません。

緊張をほぐすために、何が行われているか

辞退されにくい面接では、この緊張を和らげるための働きかけが、意図的に組み込まれています。

たとえば、面接室に案内する際の、ちょっとした気遣いの声かけ。

「今日は暑い中お越しいただきありがとうございます」「お手洗いは大丈夫ですか」といった、当たり障りのない一言です。特別なテクニックというより、初めて自宅に来客を迎えるときの気遣いに近いものです。

また、面接の冒頭で、これから何をどんな流れで進めるのかを、あらかじめ伝えることも効果的です。先の見えない状況ほど、人は不安を感じるものです。「今日はこういう流れで、60分ほど進めます」と伝えるだけでも、応募者の緊張は幾分和らぎます。

全体像が見えているだけで、応募者は「今、何合目にいるのか」を把握でき、心の準備がしやすくなるのです。

気をつけたいNGな緊張ほぐし

一方で、緊張をほぐそうとするあまり、かえって逆効果になってしまうケースもあります。たとえば、面接官が自分の失敗談を軽い調子で話しすぎて、応募者に不安を与えてしまう場合です。

「私、実は面接に慣れていなくて」といった発言は、親しみやすさを狙ったつもりでも、応募者からすれば「この会社は面接すら整っていないのか」という不安材料になりかねません。緊張をほぐす一言は、あくまで応募者を思いやる方向で選ぶ必要があります。

冗談のつもりの一言が、応募者にとっては会社への不信感の第一歩になってしまうこともある、という点は覚えておく価値があります。

次に確認すべきこと

次回は、面接官自身の「自己開示」が、応募者にどのような効果を与えるのかを掘り下げていきます。

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