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5-5. このノウハウを社内の複数の面接官にどう浸透させればいいのか

前回、面接に社長が出られない場合の対処法を見てきました。

今回は、このシリーズの最後として、この「選ばれる面接」のノウハウを、社内の複数の面接官にどう浸透させればいいのかを掘り下げます。

目次

一人が実践できても、会社全体としては不十分

ここまでの内容を、経営者やベテラン採用担当者が一人で実践できるようになったとしても、それだけでは会社全体としての効果は限定的です。複数の面接官がいる会社では、応募者がどの面接官に当たるかによって体験の質が変わってしまっては、せっかくの取り組みが一貫した成果につながりません。

このシリーズの締めくくりとして、組織としてこのノウハウを浸透させていくための考え方を整理します。

いきなり全員に完璧を求めない

浸透させる際に、いきなり全員に4つのパーツすべてを完璧にこなすことを求めてしまうと、負担が大きすぎて、かえって浸透が進まなくなってしまいます。

まずは、以前お伝えした「基礎の3点」、

  • 面接官がエネルギッシュに自己紹介できること
  • 会社説明ができること
  • 募集職種を説明できること

この3つを全員が実践できる状態を目指すところから始めます。段階を踏んで導入することが、組織への浸透においては特に重要です。焦って全員に完成形を求めるよりも、小さな一歩を全員がそろって踏み出せる方が、結果的に定着は早くなります。

社内でロールプレイの機会を作る

浸透を進める上で効果的なのが、面接官同士でのロールプレイです。一人が応募者役、もう一人が面接官役となり、実際に自己紹介や会社説明を演じてみることで、他の面接官の良い部分を学び合う機会になります。

ロールプレイ後のフィードバックでは、良い点をしっかり褒めることを優先し、改善点は事実ベースで具体的に伝えるようにします。改善点ばかりを指摘されると、モチベーションが下がってしまうためです。褒める役と指摘する役を分けるなど、フィードバックの進め方そのものにも工夫の余地があります。

面接後の振り返りを、仕組み化する

面接を実施するたびに、簡単でよいので振り返りの時間を設けることも、浸透を後押しします。「今日の面接で、ビジョンの質問はうまく聞けたか」「締めくくりの言葉はきちんと伝えられたか」といった項目を、毎回チェックする習慣をつけることで、少しずつ組織全体の水準が底上げされていきます。

この振り返りは、5分程度の短い時間でも十分に効果があります。継続すること自体に価値があるため、完璧な振り返りを目指すよりも、まずは続けることを優先しましょう。

新しく入った面接官への引き継ぎも忘れずに

面接官が入れ替わるタイミングも、ノウハウが途切れやすいポイントです。新しく面接を担当することになった社員には、このシリーズで見てきた4つのパーツの考え方を、口頭だけでなく、簡単なメモやチェックリストとして渡しておくと、引き継ぎの質が安定します。

このシリーズのまとめ

全31回にわたり、面接辞退・内定辞退という悩みを出発点に、「選ばれる面接」の考え方、辞退が減らない原因、辞退されない面接の中身、その具体的な設計方法、そして未来に向けた展望までを見てきました。

一つひとつは決して難しいテクニックではありません。しかし、これらを意図的に組み合わせ、面接という場に丁寧に向き合うことが、中小企業にとって、今すぐ着手できる、最も現実的な採用改善策です。ぜひ、次の面接から、できるところから実践してみてください。

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