前回、このまま一般的な面接のやり方を続けた場合のリスクを見てきました。
今回は逆の視点から、「選ばれる面接」に切り替えると、辞退率が実際にどう変わっていくのかを掘り下げます。
変化は、劇的にではなく、着実に現れる
「選ばれる面接」に切り替えたからといって、翌日から辞退がゼロになる、というような劇的な変化を期待するのは現実的ではありません。むしろ、着実に、少しずつ変化が積み重なっていくものだと捉えておく方が、実態に近いでしょう。過度な期待を持って導入すると、思うような結果がすぐに出ないことに焦ってしまい、途中でやめてしまうことにもなりかねません。
最初に変化が現れやすいのは、応募者との面接中の空気そのものです。緊張がほぐれ、面接官の自己開示によって心を開いた応募者は、以前よりも本音で話してくれるようになります。この変化は、辞退率という数字に表れるよりも先に、面接官自身が肌で感じ取れるものです。面接後に感じる手応えが変わってきた、という声は、実際の数字が動き出すよりも早く聞かれることが多いものです。
辞退の「理由」が、見えるようになる
これまで「たまたま縁がなかった」としか捉えられなかった辞退についても、選ばれる面接を実践するようになると、その理由がより具体的に見えてきます。
面接官の自己開示や、ビジョンへの関心の向け方によって、応募者との対話が深まると、応募者自身の懸念や不安が、言葉として表に出てきやすくなります。「実は他社の方が通勤時間が短いので迷っている」といった本音が語られれば、それに対してその場でフォローすることもできます。
原因が見える化されることで、対策の打ちようが出てくるのです。これは、面接という一回限りの機会の中で、対策を打つチャンスが生まれるという意味でも、大きな変化です。
「応募者からの反応」が変わってくる
選ばれる面接を継続していくと、面接後の応募者の反応にも変化が見られるようになります。面接後に丁寧なお礼のメッセージが届くようになったり、内定承諾までの返答が早くなったりするなど、応募者側の熱量が変わってきたことを感じる場面が増えていきます。
こうした反応の変化は、辞退率の改善という形で、少しずつ表れてきます。最初は月に1件でも辞退が減れば、それは十分に意味のある変化です。小さな変化を焦らず積み重ねていく姿勢が大切です。焦って結果を求めすぎると、かえって面接官の言動が不自然になり、逆効果になることもあります。
数字だけでなく、応募者の「質」にも変化が出る
辞退率の改善と並行して、もう一つ見えてくる変化があります。それは、応募してくる人材の「質」です。選ばれる面接を実践している会社の評判は、良い口コミとなって広がりやすく、結果として、より自社に合った人材からの応募が増えていく傾向があります。
良い面接体験は、不採用者の口コミを通じても伝わっていくため、時間をかけて自社の採用力そのものを底上げしていくことになります。
効果測定は、感覚と数字の両方で行う
辞退率という数字だけを追いかけようとすると、採用数が少ない中小企業では、変化を実感しにくい場合があります。数字の推移とあわせて、面接での手応えや、応募者からの反応といった定性的な変化にも目を向けることで、着実な進捗を見失わずに済みます。
次に確認すべきこと
次回は、「選ばれる面接」を導入しても効果が出ない場合、何が間違っている可能性があるのかを掘り下げていきます。
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